Leifur James / A Louder Silence (2018)

ロンドンで活動するプロデューサー/マルチ奏者の Leifur James が2018年にリリースしたデビューアルバム。叔父がジャズギタリスト、母親がクラシックのピアニストという音楽一家の出身。母親は裕福でないながらも彼が幼い時からチェロを習わせ、音楽教育に熱心だったそうです。2017年に発売された先行シングル「Time」「Red Sea」を含む本作は、アンビエント、エレクトロニカ、ジャズ、クラシック、ソウルが細部に至るまで丁寧に融合された、職人的完成度の高いアルバムです。
かつて絵も描いていたという彼は、イギリスの画家 Turner が好きで、光の使い方やコントラスト、陰鬱な雰囲気など、ターナーの影響が本作に見え隠れしているとインタビューで話しています。個人的には Portishead のような重々しさと、映画音楽の要素が随所に感じられる気がします。アルバムタイトルの A Louder Silence は、Alex Garland 監督の映画『Annihilation(邦題 : 全滅領域)』に出てくる「The silence around you is loud」というセリフから発想を得たそうで、ダイナミックな展開がありながらも、アルバム全体にどこか静けさが漂う作品です。

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