Enji / Ursgal (2021)

モンゴルの首都ウランバートルで生まれ育ち、現在はドイツ・ミュンヘンで活動する Enji(エンジ)こと、Enkhjargal Erkhembayar(エンカルジャル・エルクヘンバヤル)が、2枚目のアルバム Ursgal(タミル語で「興奮/刺激」の意)を Squama からリリース。
移動式住居・ゲルで暮らしながら音楽教師を目指していたという彼女は、ミュンヘンにあるゲーテ・インスティチュートが主宰したジャズの教育プログラムに参加したことがきっかけで、ミュンヘン音楽アカデミーでジャズを学び、Carmen McRae、Ella Fitzgerald といった女性ジャズシンガーから影響を受けたそうです。その後、2017年にモンゴルのクラシック作曲家 Semblin Gonchigsumlaa の楽曲をジャズへと再解釈したアルバム Mongolian Song  をリリースして注目されました。
4年振りの新作となる本作は、スタンダードを中心に活動してきた彼女が、初めて挑んだオリジナル楽曲を中心としたアルバム。プロデューサーはミュンヘンの前衛ジャズ・クインテット Fazer のベーシスト Martin Brugger で、同じく Fazer のメンバーでありモンゴル時代のインストラクターだった Paul Brändle(ギター)と、彼女と同じタイミングでドイツに渡ったモンゴル人 Munguntovch Tsolmonbayar(ダブルベース)というトリオ編成。モンゴルの壮大な草原を想起させるオリエンタルなメロディと牧歌的な歌声が耳心地良いアコースティック・ジャズで、GurlsJulia Strzalek などが好きな方にもオススメです。

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